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マスターのひとりごと

本が大好きなマスターのひとり言 
2016年 今年、感動した本ベスト 1 !!

 

2016 年、僕が読んだ本の中で、いちばん勇気をもらった本を紹介します。

村上春樹著 自伝的エッセイ『職業としての小説家』

ふだんは自分のことをめったに語らない作家の村上春樹ですが、この本には、まだ小説家になる前の話から、
いろいろと自分の過去を書いています。

一日中音楽を聴いていたいから、就職せずにジャズクラブを始めた。

1974年、まだ大学生だった村上春樹は、学生結婚をしていて、大学に7年在籍していた。
就職するのが嫌で、大好きなジャズのレコードを朝から晩まで聴いていられるお店 ( ジャズクラブ ) を始めた。
おカネは、アルバイトで貯めたお金と友人や銀行と、いろいろなところから借金をした。昼間はコーヒーを出し、夜はバーになったお店。簡単な食事も出した。そうやって、朝から晩まで好きなジャズを聴く生活を始めた。

でも、おカネがなかったので、自宅にストーブさえも買うことができなかった。
寒い冬の夜は、飼っていた猫と抱き合って暖をとった。家には、テレビもラジオもなく、目ざまし時計すらなかった。
毎日朝から晩まで働き、食べるものもろくに食べないで働いた。

ある日、銀行に月々返済するおカネがどうしても工面できなくて、夫婦でうつむきながら深夜の道を歩いていたら、
くちゃくちゃになったむき出しのお金を拾って、返済のおカネに使って助かったことがあったそうです。

今や世界的な作家になった村上春樹でも、20代の時にそんな厳しい生活を送っていた。
冬にお客さんが少なくなって、グレー色した日本海を見ていると、なんか心細くなる時がある僕。
そんなとき、村上春樹も好きなことして暮らすために借金して苦労したんだから、僕ももう少し頑張ろうと言う気持ちになれる気がした。そんな勇気を、この本を読んでもらいました。

商売はいつもうまくいくとは限りません。
ただ、苦しくなった時に、この村上の春樹のエッセイを読むと勇気が湧いてくる。
僕には手放せない本になりました。

おいしいカレーと

コーヒー&    
   手作りケーキ
      
のお店



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